工場財団登記

工場財団登記のご案内

◎司法書士法人首都圏ネットワークは、各専門家と連携し、工場財団、工場抵当に対応致します

1.工場抵当とは

工場抵当法(1905年公布)により認められた抵当制度で,狭義の工場抵当と工場財団抵当とがあります。
工場は、土地・建物などのほかに各種の機械器具、権利等から成り立ち、これらが互いに有機的に結びつき一体的に工場経営の用に供されています。工場を土地、建物だけでなく機械器具、各種権利を含めた1個の集合物として評価し、これを担保化し、抵当権の効力を工場全体に及ぼす制度です。

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2.狭義の工場抵当と工場財団

(1)狭義の工場抵当

工場に抵当権を設定した場合、原則として、備え付けた機械器具類に抵当権は及ぶとされています(工場抵当法2条)。これを一般に「狭義の工場抵当」といいます。(工場財団は組成しない。)
ただし、工場財団を組成した場合は、工業所有権やダム使用権も組成対象にできる等、組成の範囲を広くできます。

(2)工場財団

工場財団とは、土地・建物の不動産、機械器具類のみならず、そのための地上権、賃借権、工業所有権等をも含めて、一個の財団を組成し、法律上一個の不動産とみなす制度が工場抵当法による「工場財団」です。
工場財団は、その財団について所有権保存の登記をすることにより成立し、その一つの所有権に抵当権を設定することにより工場財団に含まれる全てに対して抵当権の効力が及びます。

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3.工場財団に関する登記

(1)工場財団の設定

工場財団とは、抵当権の目的とするために、工場抵当法第1条所定の1個又は数個の工場について設定されるものであり、その工場の施設としての土地、建物、機械、器具等の物的設備をはじめ、そのための地上権、賃借権、工業所有権又はダム使用権の全部又は一部をもって組成され、所有権保存の登記によって成立し、1個の不動産とみなされます。 原則、工場財団は所有権及び抵当権以外の権利の目的とすることができません。
工場財団は数個の工場が各別の所有者に属する場合においても、その数個の工場につき工場財団を設定することができます。

(2)工場財団の組成

工場財団を設定しようとする場合、その工場の全ての物件を工場財団の組成物件とする必要はなく、抵当権者の要求、債権額等から工場財団の組成物件を選定します。そして、その選定された組成物件をもって当該工場の機能が保持されることが望ましく、土地もしくは建物又は地上権もしくは不動産賃借権の全部又は一部を必ず組成物件とすべきです。
工場財団の組成物件のうち、登記、登録の制度のあるものについては、その所有権又は権利の登記、登録のされていることを要し、かつ、登記簿等におけるその物件についての記載と工場財団目録における記載が一致している必要があります。

(3)工場財団の組成物件

工場財団の組成物件は工場抵当法第11条において以下のとおり法定されています。

  1. 工場に属する土地及び工作物
  2. 機械、器具、電柱、電線、配置諸管、軌条その他の附属物
  3. 地上権
  4. 賃貸人の承諾あるときは物の賃借権
  5. 工業所有権
  6. ダム使用権

以上の物件又は権利以外のものは、工場財団の組成物件とすることができません。

(4)組成物件の要件

工場財団の組成物件とできるものは、工場抵当法第11条において法定されていますが、これらの物件であっても第三者の権利に不利益を及ぼさせないため、又は法律関係の複雑化を避け、権利関係を明確にさせるため工場財団の組成物件とするにあたりいくつかの要件が定められています。

  1. 他人の権利の目的になっていないこと
    工場抵当法第13条第1項には「他人ノ権利ノ目的タルモノ」は工場財団に属させることはできない、と定めています。他人が所有権又はその他の権利を有するものや、工場の所有者に属する所有権その他の権利であっても、その権利を目的として他人の権利が設定されている場合は工場財団に所属させることはできません。
  2. 差押え、仮差押え又は仮処分の目的になっていないこと
    工場抵当法第13条第1項には「差押、仮差押若ハ仮処分ノ目的タルモノ」は工場財団に属させることはできない、と定めています。 差押え等の目的となっているものを工場財団に属させるときは、差押債権者等の利益を害することにもなり、権利関係を複雑にさせることにつながるからです。
  3. 他の財団に属していないこと
    一つの工場財団に属している物件を同時に他の工場財団の物件とすることはできません。また、その他の財団(鉱業財団、鉄道財団等)に属しているものも、同時に工場財団に属させることはできません。
(5)登記又は登録の制度のあるものについては既登記、既登録でなければならない。

工場財団の組成物件のうち、登記又は登録の制度のあるものについては、その所有権又は権利について登記又は登録のされていることを要し、かつ、登記簿又は登録原簿上におけるその物件についての記載と工場財団目録における記載が合致している必要があります。

(6)所属物件の処分制限

工場財団の所属物件に関しては、工場財団の単一性保持のため、処分制限が規定されています。
大きくわけると工場財団の所有権保存登記の申請、又は物件の追加による工場財団目録の記載の変更の登記申請があった後、その登記が完了する迄の間の工場財団の所属物件になるべきものに対する処分制限と工場財団の所属物件となったものに対する処分制限になります。

(7)工場財団の目録

工場財団目録とは、工場財団に属する物件を明らかにし、公示するためのものです。
工場財団目録は所有権保存登記申請の際に法務局に提出され、登記簿の一部とみなされます。そのため工場財団に属する物件が変動し工場財団目録の記載に変更が生じたときは工場財団目録の変更の登記が必要となります。

  1. 工場財団目録の作成方法
    工場財団目録は工場ごとに作成することが必要です。従って、複数の工場に対し工場財団を設定する場合には、その所有権保存登記の登記を申請する際に、各工場ごとの工場財団目録を作成し提出することになります。
  2. 工場財団目録に記載する意義
    工場財団目録に記載すべき物件は、工場財団に属している組成物件です。なお、工場財団に属する土地、建物について、工場抵当法第16条1項において同法第2条の規定が準用されており、その土地又は建物に付加して一体となった物及び土地又は建物に備え付けられた機械、器具その他の工場の用に供する物には、その工場財団を目的とする抵当権の効力が及ぶとされていますが、それは工場財団を目的とする抵当権が実行された際に現に備え付けられているものに限るのであり、その前に備え付けの廃止されたものに対する追求効は認められません。そのため、それらの物件に対して抵当権の追求効を生じさせるには、工場財団目録に記載し工場財団の所属物件とする必要があります。そして工場財団目録に記載した後、物件の備え付けの廃止(分離)をするには工場財団の抵当権者の同意が必要となり、同意なく分離しても抵当権の効力が及ぶことになります。
  3. 工場の図面
    工場の図面は、工場財団の所有権保存の登記を申請する場合に提出しなければならず、工場ごとに作成します。また、工場財団目録の記載の変更の登記を申請する場合に、工場図面の変更を要するときは、その変更後の図面を提出しなければなりません。
(8)工場財団目録の記載の変更の登記

工場財団目録は、工場財団を組成する物件を表示したものであり、取引の安全を図るため、いかなる物件が当該工場財団に属しているかをつねに明確にしなけらばならず、以下の事由により工場財団目録に掲げた事項に変更が生じた場合は遅滞なく工場財団目録の記載の変更の登記をしなければなりません。

  1. 工場財団に属するものに変更が生じた場合
  2. 新たな物件を工場財団に所属させる場合
  3. 工場財団に属していた物件が工場財団に属さなくなった場合
  4. 工場財団に属していた物件が滅失した場合
  5. 工場財団目録の記載を更正すべき場合
(9)工場財団の分割

工場財団の分割とは、数個の工場について設定された一個の工場財団を、工場を基準として、一個又は数個の工場ごとに分割して数個の工場財団とすることです。
工場財団の分割は、工場財団の余剰担保価値を工場財団から切り離し、新たな工場財団を形成して第一順位の新たな抵当権の設定を可能とするものです。
工場財団の分割の要件としては、数個の工場に設定されている工場財団であることと、抵当権者が分割後の特定の一個の工場財団を除き、他の工場財団について抵当権の消滅を承諾することです。一個の工場に対し設定された工場財団は分割することができず、また、数人の抵当権者が存在する場合、分割により抵当権が消滅する工場財団は全て一致していなければなりません。

(10)工場財団の合併

工場財団の合併とは、同一の所有者に属する数個の工場財団を合併の登記によって一個の工場財団とすることです。
工場財団の合併は、法律関係の複雑化を避けるため制限されており、以下の3つの用件を満たす必要があります。

  1. 合併する工場財団が同一の所有者に属すること
  2. 合併しようとする工場財団に所有権及び抵当権以外の登記のないこと
  3. 合併する工場財団のうち二個以上の工場財団に抵当権の登記がないこと

以上の3つの要件が満たされている必要があり、いずれの一つを欠いても合併することはできません。

(11)工場財団の消滅

工場財団は以下の場合に消滅するものとされています。

  1. 工場財団の所有権保存の登記後六ヶ月以内に抵当権の設定登記を受けない場合
  2. 工場財団に設定されていた抵当権の登記が全て抹消された後、六ヶ月以内に抵当権の設定登記を受けない場合
  3. 工場財団の分割により抵当権の消滅する工場財団について、抵当権の消滅後六ヶ月以内に抵当権の設定登記を受けない場合
  4. 工場財団の所有者により工場財団の消滅の登記が申請された場合
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